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製剤学的工夫などで、既存薬に比べ明らかに高い医療上の有用性が期待される。 こうして既存薬に比べ、明らかに高い有効性、安全性を持つ新薬を「ナミ新」と呼び、製剤学的工夫によって有用性を発揮する新薬を「ゾロ新」と名付けている。
同じ「ゾロ」といっても、新薬の特許切れと同時に発売される「ゾロ品」(ジェネリック)とが、意味が異なる。 この有用性加算が認められると、薬価の高低に応じて3%を基本に15%〜4.5%の範囲で薬価が増減される。
薬価が高ければ低率、低ければ高率になるというわけだ。 実際、医療機関が購入している価格は「公定価格」ではない。
10〜20%の差額がある。 しかも、医療機関が経営上、薬価差が大きいクスリを使いたくなる。
ゾロ品もそれに拍車をかける。 こうして薬価差が次第に大きくなってくる。

ちなも」に「O保険医協会」が95年9月に発表した薬価の国際比較を見ると一目僚然。 この薬価差を縮めるために、2年に1回の割で行われるのが「薬価引下げ」という医療界あげての「イベント」だ。
「販売」側の卸会社約3600件となっている。 卸会社が日本のすべての卸会社、購入側は無作為抽出で選ばれる。
こうして集計した各クスリの実勢価格をもとに、「加重平均値一定価格幅」方式で新薬価が決定される。 加重平均値とは、すべての個数を足して、その個数分で割った値。
一定割合を加える理由は、取引条件の違いによって(たとえば、現金か6カ月手形か)価格にバラツキが生じることや、医療機関でクスリを使用する際に生じる必要経費を考慮してのこと。 92年から15%でスタートし、94年13%、現在11%になっている。
最後は10%にまで下げられる。 加重平均値を具体的にいえば、たとえば医薬品Aの取引価格を全国の全医療機関で調べたとする。
この場合、全医療機関で購入した医薬品Aの価格をすべて足し、全医療機関で割ると、単純平均(算術的平均)値が求められる。 少量しか購入しない医療機関も、大量に購入する医療機関と同等に扱われるため、医薬品の全購入量に対する平均価格とはいえなくなってしまう。
そこで合理的にするため、購入価格ごとの購入量を加重し、全購入量に対する平均値を求める。 加重平均値。
加重平均値方式の前が「90%バルクライン方式」で薬価が決められていた。 同方式が、クスリの販売総量を100とし、値段の安いものから並べて全体の90%目にあたる価格を新薬価とするもの。

値下がり傾向の場合が、高値安定になるということで、退けられてしまった。 薬価決定はクスリの新たな値段だから、製薬会社にとってが、自社製品がどれだけ下がるか気が気ではない。
高値に設定されればよいが、安値になれば売上予想の大幅な変更を覚悟しなければならない。 もちろん医療機関側も薬価引下げに対してが、重大な関心を持っている。
薬価差益が年々縮小されれば、副収入がなくなるからだ。 現在、すぐ経営危機につながる。
ところで薬価引下げと同時に進行している「イベント」がもう1つある。 「診療報酬の改定」作業だ。
「改定」といっても診療報酬が下がった過去はないから、どれだけアップするかの話だ。このアップ率を巡って攻防が繰り返される舞台が「中央社会保険医療協議会」(中医協)。 診療者側(日本医師会代表)と保険者側(経済界代表)、学術代表の第三者で構成されている。
診療報酬のアップ率は、薬価引下げ率とセットになって決定される(実際が別物だが)。 昭和50年代後半から、診療報酬のアップ率はヒトケタ台、薬価基準の引下げがフタケタ台、という相場が決まっており、いくら名目上の診療報酬が上がっても実質的な収支はマイナスになっている。
「医薬分業がなされていないのは、韓国と日本だけ」といわれる。 医薬分業が、文字どおり、医療とクスリを分けること。
病院でもらうクスリが薬局でもらうことになる。 医師は「処方葵」を書いて、患者に渡す。

患者はその処方菱を持って「調剤薬局」に向かい、クスリをもらう。 薬剤師が、調剤料をもらうことになる。
医師は処方菱料だけが収入になる。 もちろん患者はどこの薬局に行ってもよい。
現在、分業率は約2割といわれており、5件に一件の割で、院外で調剤されていることになる。 医薬分業はなぜ進まないのか。
医療機関がクスリを手放さないためだ。 理由は「薬価差益」を得たいためである。
医療用医薬品は、薬価という公定価格で設定されている。 現在、1万5000種類ほどのクスリ(薬価収載)が出回っているが、それらは製薬メーカーがまず適正な利潤を引いて、卸問屋に販売する。
卸問屋が、それにまた適正利潤を上乗せして、医療機関と価格交渉を行う。 価格交渉がまとまればクスリの納入となる。
その時のクスリの値段は、およそ薬価の86%ほどになっている。 医療機関はそのクスリを使用して保険者に請求すれば、14%の差益を得ることができる。
14%という数字は現在の平均であり、かつては50%の差益など無数にあった。 医薬分業すると、この14%が医療機関に入ってこない。
日本医師会が「薬価差益は潜在技術料」、最近では「顕在技術料」といってはばからない。 また、医薬分業になると、医療費が安くなるという説がある。
厚生省も当初、考みていたようだ。 日本薬剤師会でが、「基準薬局」と認定し、ステッカーを配布している。

この前提となっているのは、医師より薬剤師の方がクスリの中身を聞きやすい、ということだ。 病院内薬局でも「薬歴管理」ができるし、より詳しい「病歴管理」もある。
厚生省の考えを類推すると、医師が薬価差益をアテにしなくなれば、必要なクスリしか使用しなくなるだろう、という総量の減少である。 2割の医療機関が医薬分業に踏歌切っているのに、クスリの消費量は減少していない。
むしろ医療費は高くなっている。 医師が処方菱を書き、患者が持参して薬局にいく。
薬局が医療機関の近くになければ、電車を利用することがあるかもしれない。 高齢の病人にとって、電車に乗るのは苦痛だろうし、電車代もかかる。
電車代が、領収書がなくても「医療費控除」の対象となるが、薬局があまり遠いと税務署に疑われるし、確定申告の際に付け忘れることもあるだろう。 また、引越ししたため「かかりつけ薬局」がもっと遠方になってしまった場合がどうだろう。
より交通費がかかってしまう。 「かかりつけ薬局」(約1万4500件)をなぜ持ち出したかといえば、医薬分業のメリットとして第一に挙げられるのが、保険薬局による「薬歴管理」だからだ。
薬歴管理が、患者個人の薬剤記録を作り、薬剤アレルギーの経験・副作用のチェック・妊娠の有無や、他の医師からもらっているクスリとの相互作用・副作用のチェックをおこなうにもアウトドアしてまで「調剤薬局」に出向く必然性はない。 クスリの説明にしても、病院内薬局の薬剤師が患者に説明すれば済むことだ。
日本製薬工業協会の「クスリの手引」によると、「医薬分業」には、次のようなメリットがあるという。 医師が、患者にもっとも適した医薬品を処方できる。

医師と薬剤師がお互いに薬の処方をチェックしあうことで、薬歴なども照合され、より安全な薬物治療ができる。 患者が薬について薬剤師から十分な説明を受けることができる。

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